おっしゃる様に、5歳以上になると胃酸の分泌が十分になることと、免疫力がしっかりすることでピロリ菌にほとんど感染しなくなります。
　ですから、胃酸が抑えられると、ピロリ菌に再感染するんじゃないかとのご心配はもっともなことだと思います。しかし、先ほど書いた様に、防御システムは胃酸と免疫の両方なので、胃酸が弱くなった状態でも免疫でなんとかなる様です。また、胃酸も減るには減りますが、全くなくなるわけではありません。そのため、これまでのところ、胃酸を抑えるお薬でピロリ菌が容易に感染するようになったという報告はありません。今の所、あまりご心配されなくて大丈夫です。
　ただし、除菌後の再感染は（胃酸を抑える薬に関係なく）ありうるので、定期的な胃カメラ検査（胃がんになっていないかを調べるための検査）の際に、ピロリ菌が引き起こしている胃炎がひどくなっていないかをチェックし、必要な場合はピロリチェックを追加することが必要です。