自分がピロリ菌を保菌しているかどうかは、検査によって調べることができます。
日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、次の6種類の検査方法が推奨されてます。
A~Cが内視鏡(胃カメラ)を使う検査方法で、D~Fが内視鏡を使わない検査方法です。
●内視鏡を使う検査方法
培養法
(A)培養法
胃の粘膜を採取し、培養して、菌の有無を判定します。
結果が出るまでに、5~7日ほどかかります。
病理検査(組織鏡検法)
(B)病理検査(組織鏡検法)
胃の粘膜を採取し、顕微鏡で観察して、菌の有無を判定します。ピロリ菌の有無だけでなく、炎症の強さ、がん細胞の有無、がんになりやすい胃粘膜の有無などを同時に診断できます。
しかし、菌の量が少ないと判定が難しい場合があります。
迅速ウレアーゼ検査
(C)迅速ウレアーゼ検査
胃の粘膜を採取し、特殊な液と反応させて、色の変化により菌の有無を判定します。
ピロリ菌の特徴である、ウレアーゼの酵素の活性度により測定され、その名の通り迅速性(早く判定できる)に優れ、胃潰瘍や胃炎、胃がんといったほかの胃の病気の診断と同時に実施できるという効率性があります。
●内視鏡を使わない検査方法
尿素呼気試験
(D)尿素呼気試験
診断薬を飲み、その前後の呼気を測定器にかけて診断します。
もっとも精度の高い検査方法です。
血液または尿中抗体検査
(E)血液または尿中抗体検査
血液や尿を検査して、ピロリ菌に感染した人が持つ抗体の有無を調べます。
もっとも簡単な検査法のひとつです。
過去に感染していて、除菌に成功した場合も、反応が陽性になる場合があります。
便中抗原検査
(F)便中抗原検査
便を検査して、現在ピロリ菌に感染しているかどうか調べます。